日常でよく耳にする関西弁。なぜか会話をしていて、突然「そうやな」「ええやん」というような関西風のイントネーションになってしまうことがありませんか?
関西弁がうつってしまったことで、それを聞いた本場の関西の人は心の中で腹を立てているかもしれません。
もし友達に関西出身で日ごろから関西弁を使っているような人がいるのであれば、もしかしたら怒られるかも?
この記事では、関西弁がうつってしまう理由と似非関西弁について紹介していきたいと思います。似非関西弁にならない方法についても触れていきますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ことばはうつりやすいもの
方言やイントネーションは、とてもうつりやすいものです。たとえば駅の近くで外国から来た若者にカタコトで道を聞かれたとき、なぜかつられて自分もカタコトになってしまったという経験を持っている方も少なくないのではないでしょうか。
地方に出かけてしばらく滞在していても、徐々にその地方の言葉がわかってきて勝手にしゃべりかたがうつることがありますよね。
テレビや身の回りで変わった言い回しをする人がいた場合も、無意識にそのしゃべり方をどこかで真似してしまうということがあるでしょう。
関西弁は、標準語でしゃべる人もそうでない人も一番頻繁に耳にする地方の言葉です。
これは何故かというと、テレビでもラジオでも、そして日常においても関西弁がはびこっているためです。
関西弁を耳にしない日はありませんので、関西弁特有のしゃべり方は誰でも漠然と記憶していますし、しゃべる人がよく現れるため何と言っているのかもほとんどわかりますよね。
それゆえに、関西弁が一番うつりやすいのです。
しかし、関西の人にとってはそれはいいことではありません。
似非関西弁は関西の人に嫌われる
テレビなどでなんとなく覚えたうろ覚えの「似非関西弁」は、関西の人からすると非常に不快なのです。
「そんなに?」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、誰でも自分の育った地域には思い入れがあります。
似非関西弁を使うことは、関西の人を心ならずも侮辱してしまっているということです。
関西からその外に出てもなお関西弁を使う人がたくさんいますし、テレビでも関西系の人は関西弁を使います。
それほどまでに彼らは関西と関西弁を愛しているというわけで、そんな彼らの前で漠然とした関西弁を使うことは失礼にあたります。
例えば他の方言を使う地方の人からすると、自分の地域の方言をテレビなどで面白おかしく取り上げられるのは我慢ならないですよね。
似非関西弁で話すということは、おおむねそれと同様の「イラつかせる」行為なのです。
「自分たちの方言を馬鹿にされているんだからこっちも似非関西弁を使わせろ!」「別に馬鹿にしているわけではない」「関西弁だけ標準語と肩を並べているのは気にくわない」という気持ちの方もたくさんいらっしゃるかもしれませんが、とにかく似非関西弁はやめておいたほうが賢明です。
似非関西弁の例
似非関西弁の例はたくさんあります。例えば一人称の「ワイ」は、関西弁ではありません。「ワイは猿や!」でお馴染みの『プロゴルファー猿』は、間違った例ということになりますね。
「まんねん」「でんがな」「まんがな」といった関西弁でお馴染みのフレーズ。これも実は使われません。そうはいっても、漫才でこのようなフレーズを聞いたことがある方は多いでしょう。日常生活では使わないということのようです。
細かい部分では、お母さんのことを「お母はん」と呼ぶのも間違いです。たしかに、テレビに出る関西の人も「おかん」「お母ちゃん」と言っていますね。
細かく似非ワードを覚えるのが難しいという方は、とりあえずアニメ『ヤッターマン』に登場するトンズラーがしゃべる関西弁は全部似非関西弁にあたるということを覚えておくと良いでしょう。「ワイ」「まんねん」「お母はん」どれもトンズラーが話す関西弁です。
似非関西弁をうっかりつかってしまうのは避けるべき
似非関西弁を油断していたらしゃべってしまう可能性があるという人は、とりあえず言葉を口に出す前に今から何をしゃべるか頭の中で考えましょう。
親しい関西の友人がいる場合、似非関西弁をその人の前で何度も話していると疎遠になってしまう恐れもあります。上司が関西の人の場合はその後の仕事に影響するかもしれません。
テレビなどを見ていてすぐに言葉を真似してしまう人はテレビを見なければ良い!と言いたいところですが、関西弁は日本のほとんどのメディアに紛れ込んでいますので、なかなかすべてシャットアウトするということは難しいです。
似非関西弁を使わないために一番重要なことは、相手の気持ちを考えて会話することでしょう。この記事を読んだ方であれば、似非関西弁がどのようなものかはおわかりいただけたことと思います。あとは、会話中に相手を怒らせないように意識すれば良いのです。