ビジネス文書などを書いていると、「おこなう」という言葉をよく使いますよね。
この場合、「行う」と「行なう」、どちらが正しいか自信を持って答えることができますか?
今後、恥をかかないためにも、正しい使い方を知っておきましょう。
結論:どちらも正しい
最初に結論から述べますと、どちらも使い方としては誤りではありません。
以前は「行なう」が本則だったものの、1973(昭和48)年、国語審議会の方針が変わったことにより、「行う」が標準となる内閣訓示が出されました。
これにより、現在では公的機関やビジネスシーンでも「行う」を使うのが一般的ですし、教科書でも「行う」が使われています。
ただし、「行なう」の表記も誤りではないため、容認されています。
とはいえ、「行う」を使ったほうが無難といえるでしょう。
こんな場合は「行なう」を使うのもアリ
さきほどご説明したとおり、現在の標準的な使い方では「行う」を選ぶのがふさわしいです。
ただ、「私は行った」という文章の場合、「いった」とも「おこなった」とも読めてしまうことがあります。
こういう場合は「いった」と読ませないために「行なった」という送り仮名をつける場合もあります。
ただ、前後の文脈から判断できる場合がほとんどなので、特に気にしなくてもよいでしょう。
他にもいっぱい!送り仮名が2パターンある漢字
ここまでは「行う」についてご説明してきましたが、日本語には他にも複数の送り仮名がある漢字がいくつも存在します。
以下、よく使われるものを集めました。
最初が本来使うべき本則の送り仮名で、カッコ内が容認される送り仮名です。
- 表す (表わす)
- 著す (著わす)
- 断る (断わる)
- 現れる (現われる)
見ていただくと分かるとおり、本則として採用された送り仮名のほうが文字数が短いですね。
パソコンやスマートフォンの変換ソフトでは、基本的に本則の送り仮名が最初に出てくるので、間違えることは少ないですが、手書きで迷ったときの判断材料として覚えておくとよいかもしれません。
送り仮名を間違えやすい漢字もチェック!
チェックしてみてください。
- 陥る (おちいる)
- 費やす (ついやす)
- 哀れむ (あわれむ)
- 妨げる (さまたげる)
- 被る (こうむる)
- 試みる (こころみる)
- 確かめる (たしかめる)
- 潔い (いさぎよい)
- 危ない (あぶない)
- 恥ずかしい (はずかしい)
- 必ず (かならず)
- 甚だしい(はなはだしい)
最近は本当に手書きの文章を書くことが少なくなりましたよね。
筆者自身、「辞書を引いて調べる」という行為も、何年やってないかわからないぐらいです。
たまに手書きしていて漢字や送り仮名がわからないときもスマホで入力して確認することもあり、いかに変換ソフトを頼っているか痛感しました。
今回ご紹介した漢字は、日常的によく使うものばかりなので、ぜひ正しい使い方をおさらいしておきましょう。
他にもこちらでは間違いやすい日本語について書いてあるので、興味があれば合わせてご覧ください。