ペットは大切な家族の一員です。
そして、そこに赤ちゃんがやってくるとなれば、より賑やかな生活が楽しみですよね。
でも、赤ちゃんがいる生活は衛生面や住環境の安全に配慮しなくてはなりません。
犬と一緒に生活していても、問題はないのでしょうか?
犬がいるメリット
赤ちゃんにとって、兄弟の様な存在の犬が傍にいることは、とても良い刺激になるでしょう。
赤ちゃんと犬の直接の接触は、まだあまり無いかもしれません。
でも、お母さんと赤ちゃんが二人きりで過ごすよりも、会話や物音が聞こえる機会が増え、赤ちゃんの好奇心を掻き立てるはずです。
また、1歳になるまでに、動物の糞に含まれるエンドトキシンという成分が空気中に浮遊している環境で過ごしていると、赤ちゃんの免疫システムが発達するそうです。
よく動物園に連れて行くと良いと言われていますが、家庭にペットがいる場合は、常に空気中にエンドトキシンが浮遊している状態となる可能性が高く、同様の効果を得ることができるのではないかと考えられています。
犬がいるリスク
まず最初に心配なのはアレルギーです。
犬アレルギーの原因は、犬のフケや唾液、尿に含まれる「Canf1」というタンパク質です。
犬アレルギーの症状は、咳、くしゃみ、ゼーゼーする呼吸、目の充血、皮膚の発疹などです。
犬アレルギーだった場合、特効薬はありませんので、部屋のアレルゲンを除去して、犬との接触を避けるしか方法はありません。
ちなみに、犬の毛が犬アレルギーの原因と言われることがありますが、正確には犬の毛についているアレルゲンが原因です。
ただ、犬の毛に生息するダニが小児喘息の原因となることがあるため、注意が必要です。
この他、感染症にかかるという可能性があります。
ヒトと動物の両方がかかる病気を「人畜共通感染症」「人獣共通感染症」「ズーノーシス」と言います。
これらは赤ちゃんに限らず、大人にも感染します。
その中で犬から感染する病気と症状は、以下の通りです。
- 狂犬病
1ヶ月前後の潜伏期間を経て、興奮・錯乱・麻痺といった神経症状が現れ、数日後に呼吸困難で死亡。
- バスツレラ症
犬の口の中に常在している細菌が原因となる。
引っかかれたり、噛まれたりした傷口が腫れ、気管支炎や肺炎を引き起こす。
- Q熱(リケッチア)
糞尿や羊水に病原体が含まれている。
感染するとインフルエンザに似た症状や肝炎症状が現れ、心内膜炎を伴う場合もある。
- エキノコックス症
寄生虫の一種で糞に混ざり出てくる。
数年から数十年かけて肝臓に寄生し、肝機能障害を主とする症状が現れる。
- トキソプラゾマ症
寄生虫の一種で糞に混ざり出てくる。
まれに脳や目に炎症を起こす。
トキソプラゾマについては、妊婦さんは特に注意してください。
胎児の目や脳に障害が出る可能性があります。
赤ちゃんと犬は一緒に暮らせる?
赤ちゃんと犬が一緒に生活することについては賛否両論あります。
リスクは確かにありますが、アレルギー等が必ず起こるわけでもありませんので、「一緒に暮らすことはできない」とは言えません。
赤ちゃんが来たから、犬を手放すというのはとても辛いことです。
先に述べたリスクを軽減させるために、次のことを注意して生活するようにしましょう。
- 犬を清潔に保つ
爪切りやブラッシング、散歩後の足の洗浄をしっかりとやりましょう。
シャンプーも週1程度行ってあげると、アレルゲンがかなり減ります。
- しつけを確実にする
トイレトレーニングができていない、顔をベロベロなめまくるというような
場合は、赤ちゃんに近づけてはダメです。
また、犬は家族の中の優劣をつけていますので、赤ちゃんが犬よりも上の立場であることを示しましょう。
- 部屋を清潔に保つ
犬のエサやトイレは、赤ちゃんが近づくことがないように気を付けて配置します。
ペットの毛を掃除し、部屋の喚起をこまめに行ってください。
空気清浄機を置くのも良いでしょう。
リスクは、衛生面に配慮し、愛情をもって犬に接することで、かなり減らすことができます。
犬と赤ちゃんが、家族として一緒に楽しく生活することができるよう、環境を整えてあげてください。
赤ちゃんについてもっと知っておきたい方は合わせてこちらをご覧ください。
>>赤ちゃんが泣くのを放置するのは危険?泣かせっぱなしは時間的にはどのくらいが良くない?