人の角質をつついて食べてくれるドクターフィッシュ、一時期ブームになりましたよね。
最近は、スーパー銭湯や水族館など、いろいろな場所でフィッシュセラピーを受けられるようになりました。
でも、ネットでドクターフィッシュについて調べてみると、「ドクターフィッシュ 感染症」という気になるキーワードが出てきました。
今回は、ドクターフィッシュの安全性について調べてみました。
ドクターフィッシュについて
通称ドクターフィッシュは、コイ科のガラ・ルファという魚です。
アジア西部に生息する淡水魚で、トルコの温泉地にいる系統のガラ・ルファは、37度ほどの水温でも平気で活動できます。
この魚は人間の皮膚をかじって食べる習性があるため、古い角質を除去してくれるというわけです。
かじるといっても歯はないので、痛みはなく、心地よい刺激でマッサージされているような感覚です。
成長したときのサイズは約10cmほどのになり、人にも慣れるのでエサをあげようとすると自ら寄ってきてくれます。
その愛らしさから、観賞魚として飼育している人もいるようです。
アトピーや皮膚炎に効果あり
ドイツでやトルコでは、ドクターフィッシュセラピーでアトピーや皮膚炎が改善したという事例もあり、医療行為として認められています。
また、足裏にはツボがたくさん集中していますから、心地よい刺激を受けることで高いリラックス効果を得られます。
「マッサージ効果」「自然なピーリング効果」「リラクゼーション効果」によって皮膚の代謝を促進し、アトピーや乾癬などの皮膚病に効果があるとされています。
しかしながら、あくまで角質を食べるだけなので、水虫への効果はありません。
実は危険!?アメリカのドクターフィッシュ事情
実は、ドクターフィッシュが病気の感染を引き起こすかもしれないという噂があります。
アメリカは、14の州で衛生上の理由からドクターフィッシュを使用したセラピーが禁止されており、ドクターフィッシュの輸入も禁止されています。
足の傷口から感染し、人から人へと感染症が広がる可能性が考えられたようです。
また、魚から人へ、水槽の水を媒介して人から人へ、また裸足で踏む床などを介しても感染が広がる可能性もあるというので、きちんと衛生管理されているところでないとちょっと不安ですね。
イギリスの対応
こうしたアメリカの対応を受け、イギリスの英国健康保護局(HPA)は、ドクターフィッシュセラピーによるHIVやHCVなどの感染症の感染率がゼロではないという調査結果を出しました。
同団体が、国内でフィッシュセラピーを実施している各施設に水の交換などの衛生面の指導を行なっています。
イギリスでは、1人の治療が終わるごとに必ず水槽の水を新しく取り替えるようにしているそうです。
今のところ、実際にフィッシュセラピーでHIV感染した事例があるわけではないようですが、専門家が指摘するということは多少なりとも感染の可能性があるということですよね。
アメリカで危険視されているのは別の魚だった!
ドイツやトルコでは皮膚病治療に効果アリと太鼓判を押されているのに、アメリカやイギリスの対応と大きなギャップがありますよね。
よくよく調べてみると、アメリカでドクターフィッシュと呼ばれるのはガラ・ルファの類似魚で歯がある「chin chin」という 種類だとも言われているようです。
たしかに歯があれば傷がつきますから、感染のリスクは高まりますよね。
日本で施術を受ける場合はこの「chinchin」という魚は使っていないので、まず安心してよいでしょう。
ただし、ドクターフィッシュはかさぶたも剥ぎ取って食べてしまうので、足に怪我をしている方は注意が必要です。
小さい範囲ならテープなどで保護できますが、出血していたり怪我が広範囲に渡る場合はやめておいたほうがよいでしょう。
筆者も以前スーパー銭湯でフィッシュセラピーを受けたことがあるのですが、たしかに気持ちよかったです。
何十匹もの小さな魚に足をつつかれる、くすぐったいような気持ちよさは他では味わうことのできない感覚です。
施術を終えてからも数十分はその余韻が残ったのを覚えています。
気になる方は、ぜひ体験してみてください。