近年、イモリを飼っている人も日本ではたくさん見られるようになってきました。
しかし金魚のような魚に較べると少なめであるため、どのようにして飼えば良いのかわからないという方もたくさんいらっしゃるでしょう。
そこで、この記事ではイモリの飼育について詳しく解説させていただきます。
イモリは長生きする両生類の動物
小動物というとあまり長い気しない印象がある方も多いかもしれません。しかし、イモリは比較的長生きする動物です。
なんと、イモリは大事に飼えば20年以上も生きることができます。例えばアカハライモリの寿命は30年ほどです。長い間生涯をともにできるので、ペットとしてとても魅力的ですね。
イモリは毒を持っていて、皮膚の下に毒を出す毒腺があります。この毒はそれほど強いものではありませんが、イモリを手で触った時は直後に目や口などに触れずに、しっかりと手を洗っておきましょう。
野生のイモリは、田んぼや川に生息しています。主に水中にいるため、近所に川などがない方はなかなか目に触れることはないかもしれませんね。
日本に多く生息しているのはアカハライモリです。イモリを見かけたという場合は、ほとんどこの種類と考えて良いでしょう。本州から九州まで、さらには北海道でも見られることがあります。
イモリはペットショップで購入できる
イモリは、全国のペットショップで売られています。値段は数百円程度ですので、飼育のために必要なものを合わせても気軽に購入できるのが特徴です。
アアカハライモリなどは爬虫類を多く扱っているペットショップならば基本的にどこでも売られており、さらにはホームセンターの中にあるペットショップでも売られていることがあります。
珍しい種類のイモリを飼いたいという場合は、本格的な爬虫類のペットショップに行くことをおすすめします。
飼育に必要な物は水槽などのケースとそのフタ、エサ、隠れるための岩など、そしてできれば水の汚れを取り除くためのフィルターも購入すると良いでしょう。
1~3匹を飼うのであれば、ケースは30~60cm程度の大きさで十分です。逃げ出してしまわないように、しっかりと合うフタも用意することが大事です。
岩などの隠れるための場所は、陸地としても使える大きさのものにすると出費がかさまなくて済みます。
エサは、赤虫やイトミミズ、金魚やカメのエサといったものが使用できます。ウーパールーパーのエサも、イモリに与えられるものがありますので店頭で確認してみると良いでしょう。
イモリの飼い方は難しくない
ケースに水を入れて岩を置き、フタをすればなんと飼育のための環境はほぼ完成です。ただし、一つ注意することがあります。
それは温度です。イモリは暑さに弱いので、特に夏は水温が上がり過ぎないように注意する必要があります。
エアコンを使って飼育する部屋自体を涼しくするか、水槽にクーラーを入れるといった工夫をすることで夏をしのぎましょう。
水温が30度を越えてしまうと命の危険に関わってしまうので、気をつけなければいけません。水温は、常に20度前後に保っておくと安心して飼うことができます。
逆に冬場に水温が低すぎると、冬眠してしまう可能性が出てきます。もっとも、冬眠したところで「冬眠」ですので、それほど問題はありません。ただし、弱い個体は冬眠させずに飼うほうがいいですね。
冬眠させる場合は水温を10度以下にし、ケースの底に砂利を敷いてミズゴケを少し多めに入れると良いでしょう。
イモリは水道水には弱い
イモリを飼うにあたって、ケースに入れる水に水道水をそのまま使うことは避ける必要があります。
金魚を飼ったことがある方ならば知っているかもしれませんが、水に住む生物は基本的に水道水に弱いのです。
なぜかというと、水道水にはカルキ(塩素)が含まれているためです。なぜふくまれているのかというと、浄水場で水を綺麗にするにあたって殺菌が行われるためです。
人間にとっては害はなくても、金魚やイモリにはカルキは害があります。
そのため、水道水を使用するときはカルキを抜かなければいけません。
ペットボトル等に水道水を汲み、1日置けばカルキはそれだけで抜くことができます。
沸騰させるという方法を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それは水中の酸素も飛んでしまうためやめましょう。
この他に簡単な方法としては、浄水器を使うという手もあります。
タマゴの繁殖方法
オスとメスを入れておくと、イモリは5月頃、繁殖期に入ると水草にタマゴを産むことがあります。(産卵のためにはケースに水草を入れておくことが必要です)
タマゴから孵ると、数日後にエサを食べるようになります。ブラインシュリンプなどを与えると良いでしょう。
そして1~2ヶ月で、エラ呼吸から肺呼吸に変化し水草の上(陸上)で生活するようになります。上陸できなければ死んでしまいますので、環境は整えておきましょう。