驚いたとき、何が起こったか分からなかったとき、「狐につままれたようだ」なんて言いますよね。
でも狐に「つままれる」なんて、なんだかちょっと日本語が変なような気もしませんか?
もしかして、「つつまれる」だったっけ?と、ふと不安を感じたりしたことがあるかもしれません。
つままれるとつつまれる、一体どちらが正しいのでしょうか?
「狐につままれる」とは
「狐につままれる」の意味は、予想外のことが起こり、何が何だかわからずに、茫然とするということです。
また、狐に化かされるという意味もあります。
「狐につままれたような顔」「狐につままれたようだ」というように使います。
昔から狐は、不思議な力で人を騙す存在とされてきました。
突発的に起こった事態を把握しきれない戸惑いを、狐に騙された状況に重ねているのです。
ここで気になるのが「つままれる」です。
これは受け身の形になっていて、語源は「つまむ」です。
広辞苑で「つまむ(撮む・摘む・抓む)」を調べてみると、指先で挟み持つ、要点を取りだすという意味の他に、「狸・狐などが人をばかす」という意味があります。
騙されるのは人間ですから、主語は人間となるため、受け身の「つままれる」が使われることになります。
また、実際には狐につままれてはいませんから、「狐につままれたようだ」というような表現になるのです。
よく、つままれたを「つつまれた」と言ってしまう人がいます。
狐が醸し出す不思議な空間に包まれた、というようなニュアンスでそれらしく聞こえてしまいますが、間違いです。
狐につつまれる・・・想像すると、ファーの襟巻をしているようなイメージになってしまいますね。
言い間違いは誰にでもありますが、「つままれた」の正しい語源と意味を理解していれば、間違える心配はなさそうです。
使い方の例
学校や職場、様々な場面でびっくりしてポカンとすることはありますよね。
そんな時、「狐につままれた」と言う表現を使えば、より相手に自分の気持ちや状況を伝えることができます。
実際にどう使われているのか、見てみましょう。
エレベータ乗る前は降ってなくて降りて外出たら土砂降りになってるの狐につままれたような気分だ
— ヤシ (@yasiP_1224) 2015, 7月 16
わたしも中学のときの理科の先生に理系に進んだこと言ったとき狐につままれたような顔されたな — カエデ (@ahahsak) 2015, 7月 7
今日は公園の案内図にあるはずの芝生広場がなかったり、地図に表示されてるバッセンがあるはずの場所に古民家が建ってたり、狐につままれたような事が続いたのでナイトスクープに調査して欲しいと思った。
— ソン (@anti_ennui) 2015, 7月 4
途中でやめた記憶しかなかったのに、最後まで終わってる…… 狐につままれた感じや…… — 桐村 健志 (@08t1409f) 2015, 7月 3
日常にある狐につままれたような感覚、記録しておくのも面白いですね。
ただ、言葉の使い方を間違えると、やっぱり恥ずかしいものです。
ウケ狙いにはもってこいですが、日頃からあやふやなまま言葉を使用せずに、意味を正しく理解して使うようにしたいですね。