大人になるということはやりたいことが出来るようになって、希望していた未来が近づくことです。
しかし日本社会で大人になるということは、即ち社会人として仕事を全うすることでもあります。
社会人という身分が付属したとき、楽しいばかりでは過ごせない現実があります。
辛いことばかりではありませんが、辛いことが存在するという事前の知識があることで緩和できることもたくさんあるでしょう。
脅かすわけではありませんが、事前情報は得ていて損をしませんよ。
どこまでも続く縦社会
近頃では欧米に倣って風通しの良い職場!などが流行っていますが、それはメディア向けの戦略であったり本当に一部の会社だけです。
基本的に日本の会社は年功序列を重んじており、上司の言うことが絶対です。
たとえ人間として従えない間違ったことだと思ってもそれに否と言うことは許されません。
そういった横暴な上司が減ってきているという事実もありますが、なくなる、ということは有り得ないのです。
当たりはずれの問題になってきますが、社会人になることで新しい人間関係の構築が必ずしもうまくいくと期待を持っていると叩きのめされる可能性があります。
個人のコミュニケーションスキルの問題ではなく生来からそういった性格の人間が存在するので回避のしようはないでしょう。
制限される自由な時間
ほとんどの場合は朝から夜まで、変則で昼から深夜、深夜から明け方など、働くタイムスケジュールは人によって様々ですが、正社員であればどの会社でも8時間以上の拘束は避けられないでしょう。
それにプラスして支度時間や移動時間、時間外残業など、会社にまつわる事柄に割かれる時間は1日のうちの半分、12時間以上を占める人が多いです。
睡眠時間を6時間とるとして、残りの6時間から2時間を食事や家事へ、買い物などをすればさらに1時間減り、計算上自由に取れる時間は何時間残るでしょうか。
睡眠時間を削れば、もっと無駄のない時間の使い方をすれば時間はいくらでも作ることが可能でしょうが、学生時代よりも自由な時間が減るのは明確です。
理想と現実のギャップ
入社前は、こんな業務をして、あんな実績を立てて、自分の夢に近づくための階段を一生懸命上ってゆこう!ちょっと辛いことがあっても大丈夫!と希望を抱くのが新社会人ですが、その理想が理想のまま通ることは難しいと思ってよいでしょう。
会社の説明会で説明されたこととは真逆の部署への配属になったり、女性だからというだけで事務的な仕事ばかりをさせられたり、現実は意外と厳しいです。
パワハラ、セクハラで訴えて均等な社会的権利を主張すれば!なんて、さらに理想の姿を追い求めたら会社に居場所がなくなって、数年で窓際に追いやられてしまった、なんてことも起こりえます。
どんなに理想からかけ離れていても承服して耐えることが社会人の最初の一歩です。
誰も守ってくれない
社会人なりたての新人を守る理由は、とても低いです。
自分の評価につながるから教育係の先輩はある程度まで新人をサポートしますが、先輩の気分一つでサポートは打ち切れます。
新人のヘマを先輩が被る、という流れも確かに存在します。
度合いによりけりでもありますが、そういった事態が起こった後先輩からのサポートは一切受けられないものと思ってよいでしょう。
誰でもわかりきっている爆弾を抱えるのはメリットがないからです。
すると直属の上司が守ってくれると思えばそうでもなく、本当に有用だと判断されないと放置され、仕事らしい仕事も回してもらえなくなり、会社での存在理由が希薄になってきます。
それでラッキーと思えるメンタルの強いタイプならいざ知らず、多くの人が自分の存在に疑問を持ち精神を病んでしまうところまで発展、会社を去らざる得なくなります。
会社のつらいことは誰に相談したところで自分でしか解決できないことが多いです。
家族、友人、恋人、誰一人としてあなたの仕事を守ることはできません。
結局は、一人で戦うことの覚悟をもって挑まなければならないのです。
それでも大人は楽しい
辛いことは書き出してゆけば尽きることはありません。
そんなこと、社会人でなくても学生のころからだ!と思われるかもしれません。
ですが、社会人はそんな辛いことばかりでも見つけようと思えば学生の頃以上に楽しい欠片が転がっているものです。
何より金銭的な余裕と、経験、決断力が備わっている大人の行動力は学生とは天地ほどの下がりますよ!