会社に入っている方は、60歳になれば定年退職となります。そして、60歳からは年金をもらうことが可能になります。
しかし、年金だけで生活ができるのかは不安ですよね。将来のためにしっかり貯蓄をしておくべきかどうかで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、年金だけで生活できるのか、そして年金だけで暮らせない場合は事前にどのような対策をするべきか、さらに60歳以上でお金を稼ぐにはどうすればいいのかについても解説していきます。
目次
少なくとも持ち家がないと、年金だけでの生活は厳しい
年金だけで生活できると言われているのは、生涯平均年収が600万円以上の人だけといわれています。
しかも、それは2016年の時点での話です。年金制度は今後変わっていくとされていますので、将来的にはさらに厳しいものとなるでしょう。
現在は一番早くて60歳から貰えますが、やがて70歳程度やそれ以上にまで上がる可能性があります。受給額自体も毎年どんどん下がっていますし、消費税もこれから上がります。
さて、国民年金のみに加入した自営業者の場合は、40年間支払ったとしても受け取れる額は毎月6万円程度とされています。
夫婦で暮らしている場合でも12万円程度しか貰えないということで、都会に住んでいる方であれば家賃や光熱費を支払うだけでほとんどが圧迫されてしまいます。
趣味などの娯楽に使えるお金はほとんど残らないため、年金だけで生活することは困難です。
たとえ夫がサラリーマンであっても、年収400万円程度ならば年金は22万円程度となります。これでもまだ、家賃の支払いがあるのであれば生活していくにはギリギリですよね。
ちなみに、暮らしていける最低限の日常生活費は22万円、ゆとりのある生活ならば35.4万円といわれています。
年収400万円のサラリーマンとして40年間働いても、まったく老後の人生にゆとりがないとは厳しい現実です。
国民年金の受給額は、生活保護の受給額よりも少ないといわれています。
つまり持ち家がない方は、年金で生活することはとても厳しいととうことです。さらには、現在働いている20~30代の方であれば持ち家があったとしても厳しい可能性があります。
高齢者でも会社で働けるが、年金が減らされる
高齢者でも様々な場で働いている人を見かけるので、足りなかったら働くしかない。そうお考えの方も多いでしょう。しかし、注意が必要です。
実は、年金を貰える年齢になっても働く場合は年金が減額される可能性があります。
2016年現在も、定年後に働いている人はたくさんいます。勤めていた会社に定年後も残るというケースも見受けられます。
もしもここでフルタイムで働く社員として残ってしまうと、厚生年金の対象となります。
65歳未満であれば年収の12分の1と年金の12分の1、つまり毎月の年金と月収の合計が28万円、それ以上であれば46万円を超えてしまうと、年金が減額されてしまいます。
このようなからくりがあるため、定年後に働く場合は毎日出勤するのではないパートタイム社員などを選ぶ人が多いのです。年金が減額されてしまうのでは、フルタイムで働いても仕方がありません。
とはいえ、定年後も働くということはゆとりを持った生活をしていくうえでの選択肢の一つです。
ちなみに、会社自体が厚生年金に入っていないのであれば減額はありません。
自営業ならば厚生年金に入っていないのでそのまま年金を受け取れる
自営業として働くことによって、年金を減額されずに受け取りつつ収入を得ることができます。
自営業で収入を得る方法は、現代ではたくさんあります。店を開かなくても、ネットショップを経営したりクラウドソーシングサービスを利用したりすることによって手軽にお金を稼げます。
年金での収入がある程度あるのであれば、自営業で得た収入を趣味に回すことで楽しい生活をしていくのもいいかもしれませんね。
将来に備えて貯蓄を行うことが一番大事
働いている時期というものは結婚や子育てなどでお金がかかるものですが、しっかりと貯蓄をしておいて老後に備えることが大事です。
とくに働かずに老後を過ごしたいという場合は、必ず貯蓄をしておきましょう。
年収400万円のサラリーマンの場合、ゆとりのある生活のための35.4万円からもらえる受給額の22万円を引いて13.4万円が毎月必要となります。
年金に加えて1年につきおよそ160万円あれば、快適に暮らすことができます。大まかな計算になりますが、60歳から80歳までの20年間ならば3200万円が必要となります。
この金額を貯めるにはかなりの苦労があるでしょう。
年収400万円であれば、40年間働くとしてそのうちの8年分は手をつけずに残しておきつつ結婚や出産、子育て、介護などで出費の多い暮らしを送ることとなります。