『シン・ゴジラ』が大ヒットした2016年。
あの作品を見て特撮に興味を持った方も多いでしょう。
ところで「特撮」という言葉をよく聞きますが、特撮ってどういう意味だかわかりますか?
意外とわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では特撮とは何か、アニメとの違い、そしてテレビドラマ・映画作品の中から特撮初心者にオススメの名作をいくつか紹介します。
目次
特撮は特殊な撮影をすること
特殊撮影技術の略称が、特撮です。
特殊撮影はSFXとも言われますね。
特撮+ヒーローや怪獣ものだと思っていた方も多いかもしれませんが、そんなことはありません。
あくまでもそれらは特撮の一部に過ぎないのです。
特殊な撮影が使われていれば、実は全て特撮の範疇に入ります。
ただし「特撮」と一般的に言われる作品は、特撮を見せることをウリにした作品ですね。
怪獣映画はミニチュアを使った都市の破壊や爆発、巨大な怪獣と人間の合成など特殊な撮影シーンが重要であるため、特撮です。
テレビのヒーローものも、CGや合成などが使われていることが多いため特撮として扱われています。
ただし実際のところ、ほとんど特撮が使われていなくてもとりあえずヒーローが戦っていたら特撮認定はされます。
戦争映画の場合は、ミニチュアで航空機が飛び回ったり戦艦の海戦が行われたりする戦闘が見所だと特撮映画扱い、人間ドラマ中心で戦闘はあまり描かれない作品は特撮ではない扱いになる傾向にありますね。
アニメは絵、特撮は実写と大まかに考えればOK
『マグマ大使』は、手塚治虫の漫画作品、およびこれを原作にした実写の特撮テレビ番組。そして、これらの作品の主人公の名。1966年 pic.twitter.com/E4b0khCYY2
— 昭和の特撮、アニメヒーロー (@TVhero2) February 23, 2017
アニメと特撮との違いですが、言ってしまえばアニメだって絵を撮影して動いているように見せているわけで、十分特殊ですし特撮といえば特撮ですよね。
しかも特撮作品の中には、アニメーションを用いて実写で表現できない演出を行なっていた作品もあります。
『マグマ大使』などはその代表です。
しかしアニメはあくまでもアニメ、特撮は特撮です。
アニメは絵(CG)、特撮は基本的に実写メインと覚えておきましょう。
オススメの特撮を紹介!
ここからは、オススメの特撮作品を紹介します。
電脳警察サイバーコップ
「許さねぇ!!」で、ゴールドプラチナム召喚を想像する人もいれば、『電脳警察サイバーコップ』のジュピターのサイバーボミングを思い出す人もいたり(笑) pic.twitter.com/LvOfQuC153
— ダジャレッドのおばちゃん(?) (@SHARIVAN_CRASH) February 21, 2017
1988年に放送されたテレビの特撮ヒーローものであるサイバーコップ。
この作品の斬新なポイントは、VTR撮影でビデオ合成が大量に使われていることです。
はっきり言って映像自体は当時としてもしょぼいのですが、ビルの破片の上を飛び回りながら戦うなど、現代の洋画などであればできるものの当時は難しかった演出が多用されているため、特撮作品としてはとても重要な作品です。
記憶喪失の男が警視庁の特殊部隊の一員として、犯罪組織デス・トラップによる凶悪犯罪に立ち向かうストーリーで、物語もなかなか面白いですよ。
釈迦
『釈迦』(1961年 三隅研次)より。釈迦の生誕日である4月8日にクランクインしたそう。画像2枚めは(子供の声で)「天上天下唯我独尊」と言いながら誕生するシーン。特撮キレイ。 pic.twitter.com/pA8HNYrF7z
— 篠崎真紀 (@shinozakimaki) April 8, 2016
なんで釈迦の映画が特撮なの?
と思ってしまうかもしれませんが、これも特撮です。
釈迦の生涯を語るに当たって特撮が必要となるシーンが色々と出てくるわけで、それを非常に莫大な予算をかけて表現しています。
ストーリーはちょっと退屈に思えるかもしれませんが、終盤におけるバラモンの石像が崩壊したり釈迦が入滅したりするシーンの迫力は満点です。
ぜひチェックしてみてください。
コンドールマン
なんとぉ!?Amazonプライムで「コンドールマン」が見られるようになっているぅうううう!! pic.twitter.com/zf4QMQOWQs
— 金星ガニ (@kinseigani) February 19, 2017
東映の特撮ヒーローものの中からは、コンドールマンをオススメします。
おふくろさん騒動で有名になってしまった作詞家の川内康範原作によるヒーロー作品で、アクションも特撮もあり、さらに1970年代としては珍しい連続ドラマ形式で物語が展開されます。
この作品ではコンドールマンが化身する場面や、修行の場面などで特撮が使われていますね。
ヒーロー誕生の経緯やその立場がかなり独特で、普通のヒーローものとは一味違います。
気合の入った作品でありつつ、2クールで終わるため見やすいですよ。
緊急指令10−4・10−10
『緊急指令10-4・10-10』 CB無線で情報を集め、捜索から怪獣撃退まで、あらゆる事件解決に乗り出す電波特捜隊の活躍(72年7月~12月放送) #定期特撮BOT pic.twitter.com/PpdEOlGv30
— 超銀河オタク・神@BOT&実況用! (@Otaku_HERO_BX) February 25, 2017
円谷の特撮ドラマからは、緊急指令10−4・10−10をオススメします。
これは当時流行っていたという無線を題材にしたドラマで、ヒーローは出て来ません。
様々な怪事件や怪現象を、毛利チームという民間の特殊部隊が解決していきます。
巨大な怪獣が登場する回もあれば人を食べるカビを退治する回もあり、さらには非行少女を救う回まで存在しバラエティに富んだ物語が展開されます。
特撮といえばヒーロー!と思っていた方は、この作品と同じ円谷の『怪奇大作戦』をチェックしてみてください。
ハワイ・マレー沖海戦
世界初の「トラベリングマット」技法は円谷の手がけた「ハワイ・マレー沖海戦」で使用されたとか。#特撮で自分の知ってる知識を一つ挙げろ pic.twitter.com/HKboFvhBbW
— 真砂和好@応託庵釜利休翁 (@MasagoKazyoshi) September 27, 2016
これは戦争ものですね。
円谷英二が特撮を担当した作品で、ゴジラよりも古いです。
戦時中に公開されています。
ミニチュアの特撮と実際の戦争の映像を組み合わせつつ、真珠湾攻撃を非常にリアルに描いています。
GHQが本物だと思い映画のフィルムを回収しようとしたという逸話も残っているほどです。
『シン・ゴジラ』で東宝特撮に興味を持ったら、いずれはチェックしておくべき作品ですね。
戦争映画もまた、特撮の歴史を知る上で非常に重要ですよ。