トカゲの仲間、カナヘビ。
昼行性で、小さな虫などを食べるおとなしい性質で、飼育が簡単な生き物です。
また、飼育環境がよければ比較的たくさんの卵を産みます。
6月から7月にかけては産卵のシーズンです。
産卵から孵化までの卵の育て方について、順を追って解説していきますね。
産卵の前兆を見逃さない!
産卵直前のカナヘビのメスは、はちきれんばかりのおなかにたくさんの卵を宿しています。
この頃になると、メスはあまり動かなくなります。
それは、卵の殻に必要なカルシウムを作ったり、食べたエサの消化をよくするためで、日光浴ばかりするようになります。
ですが、産卵前日になると、産卵場所を探そうと突然活発に動き回るようになります。
これが産卵のサインです。産卵自体は数秒から1分程度の間に終わります。
個体によっては、産卵後数時間卵を抱いてじっとしているものもあれば、産卵の数分後には卵から離れて活動するものもあります。
卵を直接見つけられなくても、カナヘビのおなかがスリムになっていたら、産卵が終了している証拠です。
産卵したら即、卵を回収!
産卵が終わったら、卵を保護するためにすぐに回収します。
というのも、卵の中で発育が始まってから上下がさかさまになると赤ちゃんが窒息して死んでしまうことがあるからです。
さらには、もしエサ用のコオロギを一緒にケースに入れている場合は特に要注意!
アゴの強いコオロギはカナヘビの卵を殻ごとバリバリ食べてしまうんです。
>>カナヘビ(トカゲ)の餌!ダンゴムシが良い?虫以外では野菜、果物?食べないときの対処法も!
産卵場所が分からない場合は、落ち葉や流木の下などを探してみてください。
カナヘビの卵はとても柔らかいので、スプーンなどを使ってすくい上げるのがコツです。
ポイントは水分補給!卵のお世話
ケースから卵を取り出したら、まずは上下反転しないように卵の上にマジックなどで印をつけましょう。
タッパーなどの容器に園芸用のミズゴケや土を敷き、あらかじめく作っておいたくぼみの上に静かに卵を乗せます。
ここで注意が必要なのは、水分です。
カナヘビの卵はまわりの水分を吸って、どんどん大きく成長します。
常にほどよく湿り気を帯びているようにし、乾燥を防ぐためにフタをします。
だいたい週に1度、卵に直接あたらないように水分を補給してください。
こんな卵は大丈夫?
卵の中には、へこんでいる場合があります。
ただ、産卵直後はへこんでいても、孵化するまでに卵はどんどんふくらんでいきますので、少し様子をみてください。
数日たってもへこみがなくならなければ無精卵の可能性が高いです。
さらに、卵のまわりに白いカビが生えることもあります。
これはもともと無精卵だったか、途中で死んでしまった卵です。
カビが生えたまま放置しておくと、他の生きている卵にまで影響が及んでしまいますので、見つけたらすぐに取り出しましょう。
ついに感動の孵化!
孵化するときには、卵は最初の2倍ほどの大きさになっています。
環境にもよりけりですが、だいたい産卵から35~45日程度で孵化が始まります。
卵の表面に亀裂が入って泡が出てきたら、数時間かけて赤ちゃんが出てきます。
なかなか卵から出られない時は、手伝ってあげたくなりますが、これも最初の試練です。
また、孵化の途中で力尽きてしまうこともよくあります。
赤ちゃんが出てこずに卵がかびたりしぼんだりしたら、残念ですがあきらめましょう。
卵を破って出てくる赤ちゃんの姿、早く見たいですね。
感動の瞬間を楽しみに、お世話をがんばってください!