ふと鏡を見てみたら、舌(べろ)がやたら白い・・・。
牛乳を飲んだ後でもなければ、バニラアイスを食べた後でもない。
舌が白くなる心当たりがないのに・・・
恐らく誰しも一回はこのような経験があるのではないでしょうか。
いったい、何故でしょうか?
健康な舌
中医学(東洋医学)では、「舌診」といって、舌を診て全身の健康状態を把握する診療方法があります。
では、舌が健康な場合はどのような状態なのでしょうか?
実は、健康な状態のときでも、舌は少しだけ舌苔(ぜったい)がついて白くなっています。
逆に、舌苔が全く見られず、真ピンクや真っ赤になっていた場合は病気が疑われます。
舌が白い!
明らかに健康状態よりも舌が白い場合というのは、疲労やストレスが溜まった状態のことが多いです。
或いは、飲み会続きなどで、食生活が悪くなっているときにも舌が白くなりがちです。
このようなことから、通常は、2,3日舌が白い程度では何も心配する必要はありません。
規則正しい生活に戻し、ゆっくり休養をとることです。
また、睡眠中は唾液が出にくい関係で、朝は舌の白さが目立ちがちです。
日中の舌の色が正常ならば、何も問題はありません。
舌が白くなる原因と対策
舌が白くなる主な原因は、舌苔です。
舌苔とは、舌粘膜の表面の細胞が、一部角質化したものです。
角質というと嫌な印象を持たれるかもしれませんが、ある程度丈夫になることによって、舌を守っている一面もあります。
ですので、舌苔が全くない状態の舌ではピリピリした感覚があったり、味を感じる味蕾細胞を守ることが出来ず味覚障害になったりすることもあります。
また、口の中には常在菌といって、口の中の細菌環境を一定に保ち、有害な細菌から防御する細菌群がいます。
舌苔は、これら常在菌の住処にもなっています。
もちろん、いい菌だけでなく、要らない菌(歯周病菌など)も生息してしまいますが・・・。
なんだ、舌苔っていいものじゃん!・・・と思われるかもしれません。
しかし、明らかに舌苔の量が多いときは要注意です。
舌苔の白さは、角質・細菌・食べかすなどによりますが、ストレスや薬の副作用、睡眠などにより唾液の分泌量が減ると、舌に食べかすが溜まりやすくなり、細菌も繁殖しやすくなってしまいます。
そうなると、舌苔が増え、口臭の原因になることもあります。
そのため、明らかに舌苔が多い場合には、舌苔を掃除することが推奨されます。
舌苔の掃除の際には、歯ブラシでゴシゴシなどすると、余計に舌の表面が傷つき毛羽立って白くなることもありますので、舌クリーナーなどの専用の道具を使って優しく舌苔を減らすケアをオススメします。
舌のケアについては、以下の動画もご参考ください。
舌が白いだけでなく、痛い・・・病気が疑われる場合
舌が白く痛い場合、どんな病気が考えられるでしょうか。
比較的よく見られるのが、以下の二つです。
舌カンジダ症(口腔カンジダ症)
カンジダという真菌が、舌で繁殖した場合、舌が白くなります。
カンジダは、健康状態であれば、身体に侵入されても、症状が現れることはあまりありません。
しかし、疲労などにより、抵抗力が弱くなった場合や、抗生物質の長期連用により舌を守ってくれている常在菌がやられた場合には、カンジダが繁殖してしまうのです。
お薬で治る病気ですので、一週間以上舌が白かったり、ヒリヒリしたりする場合には、病院を受診してみてください。
診療科としては、皮膚科、耳鼻咽喉科などがよいでしょう。
他にも、内科、歯科、口腔外科でも一応適用はあります。
白板症
明らかに舌苔とは違う外見のため、違和感は大きいでしょう。
舌の横で、常に歯に当たっている場所などに起きやすい症状です。
確率は高くありませんが、悪性化するとガンになる場合もあるので、早めに受診しておくと安心です。