敬意をこめて!礼!という意味で、敬礼!と号令をされたときにビシっと上がる手は右手ですか?左手ですか?
びしっと何となく右手を額の近くにまで上げてきた人が多いのではないでしょうか。
左利きだから左、という人はなかなかいないはずです。
それもそのはず、敬礼は基本的には右手で行うものだからです。
あれ?でもこの間見たテレビでは左手で敬礼する米国軍人がいたなぁ……原則としては右手での敬礼をするのが基本なのですが左手で敬礼する場合もあります。
気になる敬礼の正しいやり方について学んでゆきましょう!
右手敬礼は敵意のない証
原則として右手で敬礼するのは武器を扱う聞き手が右手であるからです。
軍隊では個人を尊重するよりも組織的な集団を尊重しますので、左利きだから左で武器を扱う、なんてことは認められません。
右倣え右、こうと決められたら例外はありません。
そのため敬礼も、通常銃や刀を手にする右手を上げることで相手への敵意はないとともに敬意を払う意思表示として共通した解釈がされています。
左手で敬礼しようものなら相手を侮辱したと取られる場合もあるので注意しましょう。
組織によってバラバラな敬礼
腕はぴっちり60度の角度で、手はしっかり5本の指を閉じて、手のひらは決して見せないこと、などは実は一部の組織にのみ通じるルールです。
国が違えばルールは全く異なり、同じ国であっても陸海空、所属部隊によっても敬礼は異なります。
5本の指をそろえるものから3本、2本の敬礼、ひじの角度も60度から90度まで様々です。
もっとも有名で、なおかつ最もやってはいけない敬礼はナチス式の手を差し出すような敬礼でしょう。
第二次世界大戦におけるナチスの非道は勉強した通りであり、今も様々な国で制限され、良識のある人の前で行えば顰蹙を買うだけではすみません。
絶対にやることがないようにしましょう。
有名漫画の敬礼〝心臓をささげよ!〟
敬礼というのはびしっと決まった姿が恰好よく、さまざまなフィクションに登場します。
最近では実写映画化もされた有名漫画、進撃の巨人でも主人公たちが軍事組織に所属するため息のそろった敬礼シーンをたびたび挟んでいます。
胸に手を当てて敬礼する、というのは軍隊による敬礼を受けた文民の返答礼として存在しますが明確なモデルであるとは言えません。
進撃の巨人の作中では人間の脅威である巨人から市民を守るため軍人となった主人公たちが命を差し出してその仕事に従事します。
そのため敬礼をする前後に心臓をささげよ、と号令がかかり、心臓に手を当て背中にも手を添えて貫くように敬礼するのです。
命を、心臓をささげても貫き通す強い意志と主人公たちの運命に立ち向かう姿が生きることの強さを見せてくれる印象のあるシーンになるのでしょう。
敬礼一つとっても様々な意味が存在するので、他作品の敬礼にも深い設定が隠れているかもしれません。