畑などに現れる生き物・モグラ。見たことがないという方も多いのではないでしょうか。
基本的には畑を荒らすためあまり良いイメージのないモグラですが、どことなく可愛らしさもあるため買ってみたいと考えたことがある方もいるでしょう。
この記事では、実際のところそれができるのかについて解説したいと思います。
モグラを飼うのは現実的に難しい
結論から言いますと、モグラを飼うのは難しいです。ほぼ無理と考えてもらっていいでしょう。
モグラは主にミミズを食べますが、その量が多いためエサを確保することがとにかく大変です。自分の体重と変わらないくらいミミズを食べます。
本来は土の中で自在に餌を入手して食べるモグラですが、人間が飼うとなるとそうはいきませんよね。なかなか安定した量の餌を与えることは難しいでしょう。
ミミズの入手は大変ですし、ミミズの代用としてミンチの肉が使用できますが、それにしても食費が非常に沢山かかります。
さらに、12時間以上空腹のままだと餓死してしまうのがモグラです。モグラを飼うことに成功してもその食事の世話に追われてしまい、なかなか休むことはできませんね。
モグラの飼育は必ずしも土の中に入れる必要はないのですが、温度と湿度を保たなければいけません。
太陽の光を浴びるとモグラは死亡するという話を聞いたことがある方は多いでしょう。実際は太陽の光自体に弱いのではなく、それによる体温の上昇が原因で死んでしまいます。
とりあえず、強い光に当てないことが重要ですね。
地上で死んでいるモグラを見たことがあるという方はいらっしゃるかもしれませんが、それは体温の上昇で死亡してしまったかあるいは地上でエサを取れないまま餓死してしまったのでしょう。
このように、飼育するにあたって守らなければいけないことが多すぎるため、モグラの飼育は難しいのです。
モグラの寿命は約5年ですが、素人が迂闊に手を出しても数日程度しか持ちません。実に飼うためのハードルが高い生き物です。
モグラを飼うには許可が必要
さらにモグラの飼育のハードルが上がるポイントとして、許可を取る必要があることが挙げられます。
許可を取らなければ、1年以下の懲役かあるいは罰金が100万円以下というような刑罰が科せられてしまいます。
さらには、「飼う」という理由ではなかなか許可が下りないのが現実のようです。
モグラを「捕獲」し駆除することは許可無しでも可能ですが、野生のモグラに関しては捕獲して飼うことは基本的にできません。
研究のために飼育の許可を得るということは可能ですが、個人ではなかなか許可は出ないようです。
逆に考えると、モグラを研究している施設に自身が入ることによってモグラを飼うことは可能となります。
どうしてもモグラを飼いたいという方は、いっそのことそのような施設を探し出してなんらかの正式な方法で研究者になるのも一つの手です。
しかし、なかなかそうはいきませんよね。やはり、モグラを飼うのは諦めたほうが良さそうです。
モグラを販売している業者はない
モグラはこのように一般で飼うことはほぼ不可能な動物ですので、残念ながらペットショップで入手することはできません。
モグラを駆除する業者はたくさんありますが、販売は行われていません。
最も、飼育自体が無理と言っていい状況なので、それは当たり前といえば当たり前です。
モグラは動物園で見られることも
モグラを見たことがないという人がそれなりに多い理由として、動物園にあまりいないことが挙げられます。畑には現れるため身近な生き物ではあるのですが、飼うことはプロでも難しいのです。
とはいえ、モグラが見られる動物園もあります。
例えば、多摩動物公園の「モグラのいえ」ではアズマモグラを見ることができます。10年以上もモグラが見られるスポットとして存在し続けていますので、とりあえずモグラが見たいという方は多摩動物公園を要チェックです。
また、これ以外にモグラをもっと自分にとって身近な存在にしたいのであれば、発送の転換として畑を始めるという方法もあります。
しかし、畑を始める場合モグラは害獣でしかありませんので、積極的に駆除しなければ意味がありません。これも、やはり現実的な方法ではありませんね。
モグラは、飼われている動物園にでかけてその様子を眺めるということが一般的な関わり方としてはベストでしょう。
ハリモグラも飼えないけどハリネズミは飼える
モグラが飼えないのならばハリモグラはどうだろう?とお考えの方には残念なことですが、ハリモグラも珍獣であり希少性が高いため飼うのは無理です。
しかし、ハリネズミならば飼うことが可能です。ペットショップで購入することができ、飼育にも許可は必要ありません。
ただし、飼育が許可されているハリネズミと不可能なハリネズミがいますので注意しましょう。そして、ハリネズミはなかなか人間には懐かないためその点も注意が必要です。