実験に使われる動物としては最もメジャーな「実験用マウス」。同じネズミでも「ラット」と呼ばれている場合もありますよね。
実験用マウスは一般の人からすればわからないことが多いのではないでしょうか。ネズミなのは間違いありませんが、どの種が実験に使われているのか気になる方も多いのでは?
この記事では、実験用マウスについて解説していきたいと思います。
実験用マウスはハツカネズミのこと
20日程度で出産してどんどん増えるハツカネズミが、実験用マウスと呼ばれているねずみの正体です。
実験用マウスはただのハツカネズミというわけではなく、実験用に品種改良されたハツカネズミであるため他のハツカネズミとは少し異なっています。
例えば特徴として、大型であることが挙げられます。さらに色も基本的には真っ白のいわゆる「アルビノ」で、目は真っ赤です。
なぜハツカネズミが実験用に使われるのかというと、ゲノムの配列を解読する「ゲノムプロジェクト」で既にゲノム配列が解読されている関係から人間の病気などを解明していくのに便利であるためです。
つまり実験用マウスによる実験によってウイルスに効く薬などが開発されているわけですので、我々は実験用マウスたちのおかげで生きながらえているとも考えられますね。
ラットはドブネズミ、モルモットはテンジクネズミ
ラットは同様に実験動物のねずみですが、こちらはドブネズミを実験用に改良したものとなります。
ラットは医学だけでなく動物の行動について学ぶ研究にもよく使われています。ラットは人にゲノムが近いため、やはり病気などの人間に関するものの研究にも役立ちます。
こちらも色は基本的に白いものが使われています。
ラットやマウスの他には、モルモットも実験動物として使われることが多いです。たしかに実験動物の隠喩として「モルモット」が使われることは多いですよね。
モルモットはテンジクネズミと呼ばれるネズミの一種で、飼育されることもよくありますが同様に実験動物としてもよく使われています。
モルモットは主にアレルギーの研究などに使われています。なぜかというと、ビタミンCを体内で作り出すことができないという特徴が人間と同様であるためです。
実験用マウスは飼育されたものを購入して入手する
実験用マウスは、基本的には購入するものです。ただし研究所によっては自分たちで飼育・繁殖を行って数を増やしている場合もあるようです。
実験に必要なマウスは実験内容によって変わってきますが、飼育をしているいわばマウス工場に注文すれば、条件に合うマウスを購入することができるのです。
マウスを希望通りに育てるのは難しいので、マウスを生産している会社から注文した方が早いということでしょう。
実験用マウスの値段はいくらぐらいなのか気になるところですが、ネット上では価格に関する情報はなかなか確認することができません。
あくまでも実験用であるため、オンラインでの販売はあまり行われていないのでしょう。たしかに、実験内容によって細かい指定がありますので、業者と直接やりとりしなければいけない関係上ボタンを押してすぐに注文というわけにはいきませんよね。
単純にハツカネズミはいくら?ということであれば、1000円もしない値段で購入できます。
ハツカネズミは購入して飼うことができる
ペットとしてハツカネズミを飼ってみたいという場合は、爬虫類を売っているお店に行けば爬虫類のエサとしてネズミが販売されていますので、そちらを購入すればOKということになります。
ただし、ハムスターやモルモットと較べると気性が荒く、飼いづらいとされているハツカネズミですので、あまりおすすめはしません。
素人でも、飼い方を確認すればとくに問題なく飼うことができるでしょう。ケージに入れ、脱走しないように気をつけてください。だいたい1~2年は生きるといわれています。
エサにはドッグフードやひまわりの種といったものがおすすめとなります。
ハツカネズミは基本的になんでも食べますので、自宅で料理をした際に野菜などが余った場合はそれをあげれば良いでしょう。
ちなみにハツカネズミには野生のものが存在していますが、野生のものを飼うことは無理です。
なぜかというと得体の知れない菌を大量に持っている可能性があるためで、病気が移ってしまうかもしれないからです。家にネズミが出た場合はできるだけ早めに駆除しましょう。
なお、生まれたハツカネズミの子供は3ヶ月もあれば成獣になり、子供を産めるようになります。
子供は一度に最大7匹程度産まれますので、結果としてそのまま同じケースに入れておくとどんどん増えていきます。手に負えなくなってしまいますので、ハツカネズミを繁殖させるのはやめた方が良いでしょう。
つまり、数匹購入して飼育する場合は雄と雌にしないほうが良いということですね。