なにかとよくない意味のような雰囲気で使われる言葉「事なかれ主義」。これは人の姿勢についての言葉です。
この記事では、事なかれ主義という言葉を詳しく解説していきたいと思います。なぜ事なかれ主義がいけないとされているのかということも説明していきますので、ぜひご覧ください。
もしかしたら、自分が事なかれ主義だったり、友人や知人がそうだったりということがあるかもしれませんね。
事なかれ主義は問題が起こらないことを優先するタイプの人
事なかれ主義とは、トラブルが起こらず、何事も平和な状態を留めておこうとするような人のことを言います。
つまり、現状維持を保つということでもあります。
問題が起こらなければ、誰かが怒ったり、解決策を練ったりする必要がなく、今まで通りの生活ができますよね。
あなたの身の回りにも、事なかれ主義の人がいるのではないでしょうか。
事なかれ主義は、単に問題を起こさないということではありません。
もしも何か今行っていることに欠陥があったとしても、それはそういうものとして受け入れるようなタイプが事なかれ主義です。
新しく発生する可能性のあるトラブルは回避しようとしますが、今抱えている問題については、どうしてもそれをなんとかしなければ支障が出る場合を除き、見て見ぬふりをするイメージですね。
事なかれ主義の具体例!
事なかれ主義という言葉がよく使われるのは、組織です。最もわかりやすい例は、政治家や会社の役員などですね。
今まで行ってきた仕事を、さらに効率をよくするため改革をしたいという意見に対して、「今の時点で儲かっているのだからわざわざいじらなくてもいいのではないか」と主張するのが事なかれ主義です。
本当は改善すればより良くなることであっても、事なかれ主義の場合は現状維持を保とうとする場合があります。
100%行ったことがいいことに対しても拒否反応を示す場合がありますので、改革を好む人からすると非常に迷惑な存在ということですね。
そして実は、事なかれ主義という特徴は、日本人に当てはまるものなのです。日本人には事なかれ主義が多いとされています。
自分自身のこれまでの生活や、周りの人々のことを思い返してみてください。当てはまる人が多いのではないでしょうか。
明らかに壊れていたり、古くなりすぎてしまったような家具をいつまでも「まだ使える」からとそのままにしておくのは、ただの面倒くさがりであったり、ものを大事にしていたりというプラスの印象にも思えます。
しかし、ある意味それも事なかれ主義と言えるのではないでしょうか。新しい製品を買えばすぐに済むことであるにも関わらず、それを買うという行動に重い腰が上がらず、現状維持を保っているということですよね。
買ったところで合わなかったらどうする?という不安が大きい場合は、とくに事なかれ主義という意味合いが強くなります。
事なかれ主義は、問題を起こさないという点ではメリットがある
事なかれ主義であることのメリットは、新しい問題がまず起きないということです。
基本的に何事も現状維持である事なかれ主義。現状に満足しているのであれば、何の不都合もありません。
事なかれ主義は人が進歩していくためには余計なことですが、むやみに進歩させようとしすぎるのも余計なトラブルを呼び込んでしまいかねません。
問題を起こさず、穏やかな生活を続けられるのは、事なかれ主義のメリットといえますね。
事なかれ主義だと、何事も現状維持で進展がない
事なかれ主義のデメリットは、やはり現状維持を保つばかりで生活に起伏が生まれず、時間だけが無駄に過ぎていってしまうということでしょう。
時間というものには限りがありますよね。人は誰でも、いつかは死んでしまうわけです。そんな限られた時間を穏やかに過ごし続けるのはいいことですが、それでは本当にただ生きていただけになってりまい、あまり面白くありません。
また、事なかれ主義であると周りの人々にはなんにも印象を与えません。日本人は事なかれ主義の人が多い、つまり、事なかれ主義中心の社会が形成されています。
そんな社会で事なかれ主義をするということは、悪目立ちすることがないという点ではいいことですが、目立てず埋もれたまま、学校や会社で時間を浪費していくだけですよね。
改革派として熱心に活動すると周りから白い目で見られてしまうかもしれませんが、それに加えて「頑張っている」といういい印象を持たれることもあるでしょう。
また、会社などでの会議の際に誰もが事なかれ主義だと、やがて崩壊してしまうことも考えられます。熱心に考えを訴えかけた結果失敗してしまうこともよくあるものですが、成功すればリスクを上回るリターンが返ってきますよね。
現在事なかれ主義として生活している方は、一度気持ちを改めてみてもいいのではないでしょうか。