イモリを飼育したことがある、あるいは現在も飼育しているという方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
イモリは水に棲む生き物ですが、ヤモリは陸で暮らす生き物です。日常で見かける機会が多いのも、ヤモリですね。
ヤモリは飼うのが難しいように見えます。しかし、注意するべき点をしっかりと確認しておけば、ペットとして初心者にも飼うことができます。
この記事では、ヤモリの飼育方法について解説したいと思います。
ヤモリはケージで飼うことができる
ヤモリは、イモリと同様にケージに入れて飼うことができます。脱走が得意なので、ケースにしっかりとフタをする必要があるという点も共通です。ただし、空気穴は開けておきましょう。
ケージのサイズは1匹だけ飼うのであれば30センチ程度、2匹以上であればそれ以上のものが望ましいです。
イモリの飼育との大きな違いは、ヤモリを飼う場合はケースの中に水などを入れなくて良いことです。
ケースに入れるものとしては、昼間に隠れるために隠れ家となるもの(シェルター)を用意する必要があります。
例えば壊れた植木鉢がある場合は、その欠片の中のヤモリが隠れられそうなサイズのものを入れると良いでしょう。
床には何も敷く必要がありません。ライトも、とくに必要はありません。ただし、明るい環境で鑑賞したいのであれば、入れても問題はありません。入れる場合は、紫外線が発生しないものを選びましょう。
ヤモリは餌を食べた後にフンをしますので、掃除はできる限り毎日行うことが大事です。
また、ヤモリは活動中に不快なことがあったりおびえたりすると鳴き声をあげます。もともと夜行性の生きものですので、夜は鳴き声を出すことも多いです。そのため、寝室などでは飼わないほうが良いでしょう。
ヤモリのエサは基本的に生きている虫
ヤモリを飼うにあたって一番のハードルは、ヤモリが食べるエサは基本的にガやコオロギ、ミルワームといった生き餌であるという点です。
ヤモリはゴキブリを食べると聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。それもその通りですが、飼っているヤモリに定期的に与えられるほど入手するのは難しいので、基本的にはコオロギやミルワームを与えることとなります。
虫が苦手な方は、間違いなくヤモリを飼うのには向いていません。この点は考慮しておいたほうが良いでしょう。
なお、この他にカルシウム剤なども与えると効果的です。メスは、卵を産む際にカルシウムを必要とします。
外で取ってきても良いですが、ペットショップに行けば基本的にミルワームやコオロギは売られています。コオロギの場合は、ネット通販でも気軽に購入することができます。
エサの頻度については、毎日食べなくてもヤモリは死にはしません。食べない日もあります。2日に1回程度あげるだけでも、基本的には問題ありません。
また、この他に毎日水を霧吹きなどでケースの内側にかけておくことが必要です。水棲ではありませんが、水は飲みます。
ミルワームは、成虫になってしまうとヤモリは食べませんので注意しましょう。また、ヤモリは自分の頭よりも大きなエサは食べません。この点も注意して、エサを用意しましょう。
ヤモリは変温動物
ヤモリは外の温度によって体温が変わります。そのため、寒くなると冬眠します。冬場にヤモリを飼う場合、冬眠をさせないのであればヒーターなどである程度温かい環境を作る必要があります。
冬眠させるのは初心者には難易度が高いので、基本的には冬場は温度を暖かくすることをおすすめします。
ヤモリの繁殖
オスとメスを入れておけば、ヤモリは繁殖します。
メスのヤモリがシェルターなどに卵を産んだ場合は、卵が付いているシェルターをそのまま別の容器に移します。数週間が経過すると、卵から孵ります。
卵を見つけた場合は、早めに取り出しましょう。孵化する前にヤモリが潰してしまう可能性があるためです。
卵が孵化したら、数日後に餌を食べるようになります。エサは、初めのうちはSSサイズのコオロギを与えたり、ケージの中にバナナの皮を置いておいて湧かせたショウジョウバエを与えたりすると良いでしょう。
ヤモリの飼育のためにおすすめの本
ヤモリの飼育に関する本は、たくさん販売されています。それらはAmazonでも購入できますので、飼育してみたいと考えている方はチェックしてみてください。
「新版 可愛いヤモリと暮らす本」は、ヒョウモントカゲモドキやクレステッドゲッコー、そしてニホンヤモリを飼う方法について記載されています。
「爬虫・両生類飼育ガイド ヤモリ―世界のヤモリのタイプ別飼育 飼育+繁殖+種類別のポイント+Q&A etc. 」も、様々な種類のヤモリの飼い方が詳しく述べられている本です。
「ヤモリ 育てて、しらべる日本の生きものずかん10」は、子供(小学校低学年程度)にも分かりやすくヤモリについて解説されています。家族でヤモリを育てたいという方は、この本がおすすめです。