会議などが行われる際に、「そもそもそれは~」というように口を挟んでくる人がいます。
そもそも~と言われると、やけに腹が立つということがありませんか?
この記事では「そもそも論」について解説していきたいと思います。そもそも論について知らない方も、この記事を読むことでその内容を知ることができます。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
そもそも論は会話の途中に使うことができる論説
そもそも論は、相手が喋っていることがずれてきていると感じたとき等に使われます。「今現在こういう話が展開されているけれど、大元はこういうことでしょう?」といったことをいいたい時に「そもそも~」と相手に言えば、たいていの場合相手は黙ります。
そもそも論の利点はこのようにあらぬ方向に向かっているときに一度軌道修正を図ることができるということでしょう。
欠点は、軌道修正されたはいいものの振り出しに戻ってしまいそのまま議論が進まなくなる場合が多いということです。
そもそも論は必要になることもありますが、余計な口出しになってしまうこともあるので使い方が難しい論説です。
そもそも論は嫌われている
そもそも論は、世間的に嫌われています。人が一生懸命話しているのにすました顔で「そもそも~」と唱えて台無しにされたら、誰だって怒ってしまいますよね。
結果としてそもそも論を活用する人もまた、嫌われる傾向にあります。
「そもそもこれはこうなんだから、こうするべきだったのに」「そもそもこんな会議必要なかった」というように、「あーあ」「もうおしまいだ」という雰囲気で出されるそもそも論ほど鬱陶しいものはありません。
どこか他人事として考えているように感じられ、ますし、正論を言って勝ち誇っている様子はあまり快く思えませんよね。
そもそも論を利用しつつ嫌われずにうまく会議などを進める方法は、「そもそも~」のあとに「だから~するべきではないでしょうか」というようなそこから新しく話を進めるための流れを作っていくことです。
あくまで自分の意見を言うためのそもそも論であれば、嫌な顔をされることはありません。単に難癖を付けたいだけのそもそも論は使うべきではないということですね。
そもそも論は難癖を付けるためのものではなく、原点に立ち返ってそこからどうすれば良いかを考えるべきであるという状況で使うためのものです。
「そもそも論として」という言い方は不自然
そもそも論は、「そもそも」から始まる論説です。そもそも論を展開するにあたって「そもそも論として~」と堅苦しい言い回しをする人が増えてきていますが、これは不自然です。
「そもそも」はとくに相手を敬っていない用途を含んでいるわけではありませんので、目上の立場の人にも「そもそも~」という言い回しをして問題はありません。
ただし、そもそも論を展開すると失敗すれば相手がかなり不快な気分になってしまいますので、使いどころは難しいですね。
また、ネットなどでは「そもそも論、~~」という論調も見受けられます。そもそも論であることを読者に伝えているわけですが、「そもそも論」という言葉を使っている時点でどことなく面倒なイメージを受けますね。
そもそも論はあくまでも「そもそも」であるべきではないでしょうか。そもそも論であるということを主張するのは、そもそも論という存在が嫌われがちであるため自滅行為となってしまう可能性があります。
そもそも論を使うときは、普通に「そもそも」といった方が良いでしょう。
そもそも論の具体的な例は?
ここからは、そもそも論がどういった時に使われるか、いくつか例を挙げて解説していきたいと思います。「政治家の議論」はそもそも論の悪い使い方、「企業での会議」は良い使い方です。
政治家の議論
例えば、環境の会議が行われているとき。地球温暖化などの様々な問題について、その打開策を政治家達が発表しているとします。
そこに、「そもそも地球温暖化って本当にあるんですか?」「地球温暖化って本当に人類のせいで起こっているんですか?」というようなことを誰かが一言言うと、地球温暖化の説明に時間を取られることとなります。これは悪い例ですね。
企業での会議
新しい商品を出すにあたって、価格と性能面でどうバランスを取っていくかという内容の議論が展開されているとします。
そして、徐々にいかにしてコストを抑えて儲けるかという話にばかり偏ってしまったときに、
「そもそも、我々はお客様の生活をよりよいものにするために商品を作っているのではなかったでしょうか?」
と誰かが一言言えば、多少儲けが低くなっても良いものを安く提供するという方向でまとまっていくこともあるかもしれません。
このように、時と場合を選べばそもそも論は会議をより良い方向に持っていき、まとめていくことが可能な論説です。使いどころに気をつけて、活用していきましょう。