最近は、ニュースやドラマなどでドクターヘリの活躍を見る機会も多くなった気がします。
救命現場に迅速に到着する様子は、格好いいですよね!
でも、素朴な疑問として、その費用なんかも気になりませんか?
ドクターヘリについて、いろいろと調べてみました。
ドクターヘリとは
英語では「Air Ambulance」 などと呼ばれていますが、日本では医師がヘリコプターに乗り患者さんの元へ駆けつけることをイメージしやすいように「ドクターヘリ」という名がつけられました。
ドクターヘリは、ふだんは病院の敷地内に待機しており、出動要請が出ると数分以内に離陸します。
少しでも早くけが人や病人を治療し、適切な医療施設へ患者を輸送することが重要な役割となっており、そのスピードこそが救命効果を大きく高めています。
従来の地上での救急に比べると、ドクターヘリの救命率は3割以上も高いというデータも出ています。
ちなみに、2015年4月時点で、全国37都道府県に45機のドクターヘリが配備されています。
ドクターヘリのスペック
1分1秒を争う救命現場におけるドクターヘリの重要性がわかったところで、次はその仕様をご紹介します。
- 川崎式BK117型:仕様
飛行速度 : 220km/h (50km圏内を30分で往復できる速さ)
乗員人数 : 7名(操縦士・整備士・医師・ナース各1名、患者1~2名、その他1名)
全長 : 13m
全幅 : 11m
全高 : 3.85m
最大離陸重量:3,350kg
有効搭載重量:1,586kg
航続距離: 550km
航続時間:2.5時間
搭載医療機器: ストレッチャー、酸素ボンベ、モニター、バックボード、除細動器、各種医療品、吸引器、ドクターズバッグ、人工呼吸器、その他の医療機器
近隣の都府県でも30分以内で往復できるという、そのスピードはすごいですね。
操縦には相当高い技術が必要とされるでしょうね。
ちなみに、日本よりも早くドクターヘリを導入したドイツでは、国内どこにでも要請が15分以内で到着でき、ドクターヘリの導入後、交通事故の志望者が3分の1に激減したと言われています。
ドクターヘリのお金の話
このように、どんどん活躍して欲しいドクターヘリですが、まだ全国的な普及には至っていません。
その理由のひとつは、コストの高さです。
ドクターヘリ1機につき、年間2億円の運営費がかかるといわれています。
ですが、ドクターヘリの出動に対しては国や自治体が費用を負担してくれるので、患者は料金がかかりません。
ただ、一部の医療行為に対する医療費は、医療保険制度に基づき支払わなければなりません。
搬送自体の費用がかからないというのは、ちょっと安心ですね。
ドクターヘリのパイロット
ドクターヘリについて調べていくうちに、そのパイロット事情にも興味が湧いてきました。
「ドクターヘリのパイロットになりたい!」と思う人もいることでしょう。
ただ、問題はヘリコプターのライセンスをどうやって取るかということです。
自衛隊に入るか、民間の学校に行くかですが、訓練費の安いアメリカでもライセンスを取るのに1,000万円はかかります。
それだけの費用と時間をかけて、晴れてドクターヘリのパイロットになれたとしましょう。
ドクターヘリは、ほとんどの自治体が運航を委託しているため、パイロットもその運航会社の社員となります。
基本給にプラスして飛行手当てがつく自衛隊員や警察官などに比べると、お給料はそんなに高くないようです。
ドクターヘリ1機あたりの運航費が年間2億というのは驚きでした。
いろんな壁はあるものの、ドクターヘリが日本のすみずみまで普及してたくさんの命を救える時代が来て欲しいものですね。