古来から日本は「人間ではないもの」との付き合い方が上手であり、万物の出来事に、様々な自然に「人間以外」の存在と力があるものだと信じてきました。
現代の日本人にも幽霊やお化け、迷信などこれっぽっちも信じない!という方でも、無意識に感じるものを持っている方は少なく無いのではないでしょうか。
妖怪、といえば聞こえはおどろおどろしい恐ろしいものを考えてしまいがちですが、畏怖の対象として存在する妖怪もあれば、慈しみや親しみの中にあった妖怪も沢山記録に残っています。
中でも、「座敷わらし」は一度、その姿を肌で感じてみたいと思う妖怪のひとつ。
社会の喧騒や日々の疲れをひと時でも忘れ、今宵は「座敷わらし」について覚えてみてはいかがでしょうか。
妖怪:座敷わらし
座敷わらしは多く、小さな子供の姿で描写される岩手県から伝わる精霊的な存在です。
家人にいたずらするとも言われますが、家に住み着くことで家内の繁栄を呼んだり、見たものには幸運が訪れるとされる、福の神に近い立ち位置にあります。
髪の毛はおかっぱやザンギリ頭で性別は男女両方を見ることが出来ます。
子供といっても下は3歳程度から上は15歳のような姿だった、という例もあります。
性質は子供そのものであり、家人が1人、家の仕事などをしていると別室で物音を立てたり、糸車で遊んだり、小さな子供と遊んだりするといわれています。
また、住み着くことで家は栄えるかわり、去ってしまった後は急激に衰退するという民間信仰もあります。
「遠野物語」には座敷わらしが去った家の一家が食中毒で全滅した話などという話もあります。
この家を去ると衰退する、というのは貧乏神が家を去った後、家は裕福になるという話と類似しており、関係性があるのでは、という見方もあります。
現代に伝わる座敷わらし
マンガや映画が好きな人にとって、「座敷わらし」という題材は以外にポピュラーなものです。
カッパや雪女ほどではないにしろ、人間に好意的な妖怪というのは得てして気にかかってしまうものなのでしょう。
旅館座敷わらしいる旅館の写真にオーブ写りまくってる居るわ座敷わらし
— えれす (@Kereeresu) 2014, 1月 12
京都に修学旅行行った夜、旅館から京都タワー撮った友達の写真に座敷わらし写ってたお\(^O^)/
— まゆは青道のモブ女になりたい@ぼっち党員 (@mayuyuyuyumoom) 2011, 9月 6
座敷童は母上の体験談で私も信じてる!
— 志岐@藤渋くれたらある程度の事する (@shiki_9_9) 2013, 7月 28
存在を信じている人も少なくなく、中には会ったことがあるという体験談を話す人もいますが、真偽の程は定かではありません。
信じるということは、それが本当に存在するかしないかを論議するのではなく、信じることで信じた人が心豊かになる目的があります。
見た、聞いた、感じた、は体験した人にとっては真実であり、外野から嘘ホントを問うことではないのでしょう。
逢えるかもしれない場所!菅原別館
現在、座敷わらしに会える最有力な場所として界隈で有名な旅館が存在します。
名前は菅原別館。
岩手県盛岡市の宿であり、角界著名人がとまりに来るほどの宿で、その宿の24号室、別名「出世の間」に泊まると必ず出世するのだそうです。
曰く、座敷わらしはその「出世の間」以外のどの部屋にも出現することがあるらしく、気に入ったお客さんがいれば、そのお客さんの家まで付いてきてしまうとのこと。
普段は座敷わらしが「出世の間」に居るから寝泊りした人間があやかって出世するのでは、とも言われているので「出世の間」は大人気で予約も困難な状況のようです。
気にかかる人は是非、「出世の間」を!とオススメしたいですが、会いに行くだけなら、ほかのお部屋でも会える可能性はあるのかもしれませんね。
科学が浸透しきった現代でも、ファンタジーな出来事が未だ息づいているなんてとても素敵なことでは無いでしょうか。
次の休暇に、足を運んでみるのもきっと悪くは無いでしょう。