ドライアイスをビニール袋から出そうとしてうっかり指が触れてしまったことはありますか?
慌ててくっついた部分をはがそうとして焦ってしまいますよね。
子どもによるドライアイスでのやけどもよくあるケースです。
意外と身近なところでよく起きるケガなので、処置や治療について学んでおきましょう!
実はやけどではなく、凍傷だった!
これは、皮膚の表面の細胞が傷ついたことによって生じる痛みの刺激を、脳が熱さだと錯覚することで起こります。
患部に熱さと痛みを感じ、水ぶくれができるという点ではやけどと同じような症状が出ますが、実はこれは凍傷なんです。
雪山登山でもしない限り縁はないと思っていた凍傷の危険が、こんな身近に潜んでいたんですね。
また、よく混同されるのが「低温やけど」ですが、これはストーブやこたつなどの熱に長時間あたることで、本来はやけどする程度の温度ではないにも関わらず、火傷をしてしまう症状です。
ドライアイスを触ってしまったら、温めるのが鉄則!
次に、ドライアイスを触ってしまった時の対処法についてご説明します。
ドライアイスの温度は-78度と、とても低温です。
触れた皮膚やその下の組織が一気に凍結してしまうため、やけどのように冷やしてはいけません。
まずは触れてしまった部分を、洗面器などに張ったぬるま湯に浸して徐々に温めます。
濡れた手でドライアイスを触ってしまったときなどは、ぴったりと皮膚にくっついて離れないことがよくありますが、無理やりはがそうとすると皮膚が破れてしまうことがあります。
少しずつ、様子を見ながらてはがすようにしてください。
しばらく経っても痛みが続く場合や水ぶくれ、皮膚の変色が見られる場合はただちに病院を受診してください。
こんな場合は病院に
ぬるま湯に患部を浸してしばらくしても痛みが出る場合は、凍傷によって皮膚の下の組織に損傷が出ていることが考えられます。
雑菌が入って患部が化膿してしまうと、さらに症状が重くなってしまいます。
患部を清潔にして、急いで病院にいってください。
その場合は、皮膚科か形成外科がよいでしょう。
症状がひどい場合は、より専門性の高い形成外科を選ぶのがベターです。
跡が残ってしまったら
軽いものなら時間と共に跡は消えますが、稀に残ってしまう場合があります。
ドライアイスでの受傷は手や腕など目につく場所が多いですから、跡が残ると気になりますよね。
そこで、跡を消すための対策方法についてご説明します。
自力で消す
保湿をしっかり行い、なるべく患部を日光(紫外線)に当てずに過ごしましょう。
ビタミンC配合の美容液などを患部に塗布して吸収させるのも大切です。
ビタミンCには、傷の治りを助ける作用や、シミや沈着した色素を薄くする効果などがあります。
この場合は、サプリでビタミンCを摂るのではなく、患部の皮膚から直接吸収させることが重要です。
手術
症状が軽い場合には、凹凸のある皮膚表面を削り、傷跡を目だたなくします。
範囲が狭い場合は、患部の皮膚を切除して縫合します。
術後は縫合跡が残りますが、半年ほどできれいに消えていきます。
また、広範囲に渡る場合は別の場所の皮膚を移植する植皮術が施されることもあります。
あるいは、美容皮膚科などでレーザー治療を受けることもできます。
特に皮膚の薄い子どもの場合、症状がひどくなりやすいので応急処置は必ず覚えておきたいですね。
ぬるま湯で軽く温めて少しでも症状を軽くしましょう。
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