その時代、時代で流行る言葉というのは、何年か経ってみると「なんでこんなの流行ったの?」と首を傾げたくなるようなものが多いのですが、とはいえその渦中にあるときの勢いはすごいですね。
さて今回は、女子中高生のあいだで流行っているともっぱらの噂の「あーね」です。
恥ずかしながら、筆者はこんな言葉があるなんてまったく知りませんでした…。
さっそく、勉強の結果をご報告したいと思います。
「あーね」の意味は?
オンライン辞書のWeblioの「実用日本語表現辞典」によると、「あーね」とは、「ああ、なるほどね」という意味で、軽くあいづちをうつ時に使われる若者言葉です。
とはいえ、使っている人たちの共有する感覚では、ただの「なるほど」よりも相手に対する賛成の気持ちがこもっているのだとか。
リアルの会話でもよく使われますが、LINEなどのSNSで頻繁にやりとりする世代にとって、会話を柔らかい印象にするための大事な言葉なのでしょう。
友人どうしの衝突を避けようとする、今どきの若者らしい気づかいにあふれた表現といえるのでしょうね。
語源は?方言なの?
ところでこの言葉、ぱっと見ると「ああ、なるほどね」の「なるほど」の部分が省略されて発生した言葉だと思いこんでいたのですが、語源はどうやら別のところにあるようですよ!
なんと、九州地方で昔から使われていた方言なのだそうです。SNSなどを通じて関東にまで広まったのではないかと言われています。
そういえば筆者も学生時代、いろんな地方から集まってきた友人たちと話しているうちに、お互いの方言のなかで気に入ったものを取り入れて使っていましたが、あの感覚に似ていますね。
それにしてもおそるべし、SNS。
きっと最初は、友人・知人どうしのやりとりだったものが、何かのタイミングで一気に広まっていったのでしょうね。
なお、九州地方でのもともとの意味も「ああ、なるほどね」ですが、九州の「あーね」話者によっては、もっときつい意味のこともあるのだとか。
例えば、「わかったわかった」「もういいよ」と、会話を終わらせるときに使ったり。
でもこれも、九州のそれぞれの県や地域によって細かく意味が違っているのかもしれません。
みんなどんな風に使ってる?
さて、それでは世間の皆さんがどんな風に使っているのか、見てみましょう。
標準語 ??県 うんうん あーね(頷き) 知らなかった あーね(初知り) そうだよね あーね(共感) なるほど あーね(納得) 分かった あーね(理解) これ分かる人RT
— 高校生ってすげぇ!! (@Times_Love0) 2015, 11月 5
こんなにいっぱいカバーできるなんて、やはり「あーね」って便利な言葉ですね。
流行るのもわかる気がします。
あーねあーねアラームねビックリしたわー、50回振らないと止まらない設定にしてたんだね。大音量のケータイ朝から人前でワンマンライブ。どすべり
— $.Ħḯяø⊥ø (@s_mieey7) 2015, 10月 27
とはいえ、「あーね」が苦手な人もいるようす…。
きっと、便利な言葉ゆえに乱発しちゃう人もいるのでしょうね。
LINEで「あーね」とか「うん」って返事がきてなんて返したらいいか困るから既読無視すんだけどそれで怒るやつ何?だったらもうちょいこっちが返事しやすい言葉で返したらどうですかー?
— オンナのホンネ。 (@honnenoatasi) 2015, 11月 3
いかがでしたでしょうか?
「あーね」も数年後には懐かしの流行語になるのでしょうか。
変幻自在に意味や使い方の変わる言葉って面白いですね。